令和2年度葛飾区合同水防訓練について
この訓練は、区と消防署などの関係機関が参加し、本格的な台風シーズンを前に、水防に対する意識や水害への対応力を強化するために毎年実施しているものです。例年の訓練は消防団や関係自治町会、災害時支援ボランティア等の多くの皆さまにご参加いただいておりましたが、今回の訓練は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、消防団、地元町会等にご参加いただくことを避け、関係機関のみでの実施といたしました。
訓練日時:令和2年7月1日(水曜日)午前10時から正午まで
実施場所:東京都葛飾区堀切四丁目 荒川左岸京成本線荒川橋梁付近
訓練内容:京成本線荒川橋梁の上流堤防部において、堤防の越水防止を図るため、小
型土のうを積み込んだ大型土のうを設置する訓練です。
経緯:昨年の台風19号では、荒川上流域において記録的な大雨となり、荒川の岩淵水門(上)水位観測所で、氾濫危険水位に迫る水位を記録しました。葛飾区を含む荒川下流域は高度経済成長期の地下水の過剰汲み上げにより広域的に地盤沈下が進み、低くなってしまった堤防は現在は必要な高さまでかさ上げされましたが、とりわけ京成本線荒川橋梁堤防部は、橋梁が支障となり、局所的に低くなっています。国土交通省では、低くなっている堤防をかさ上げするため、現在、荒川橋梁架替事業を進めています。しかし、事業が完了するまで時間がかかるため、暫定的な措置として、水防管理団体である葛飾区が、今回の訓練を通じて堤防の水防機能強化を図るため、大型土のうの設置を行いました。
令和2年度葛飾区合同水防訓練実施結果について
(1)訓練実施報告
区職員をはじめ関係機関が参加した訓練を含め、高さ約1メートル、直径約1メートルの大型土のうを上流部に22個、下流部に13個、合計で35個設置することができました。特に低くなっている部分には、大型土のうを2段積みにすることで、最大約2メートルの高さを確保し、周辺堤防と同じ高さまでの越水対策を行いました。そのほかにも訓練会場では、水防工法の一例として大型水のう(1本あたりの延長15メートル、直径0.5メートル)の展示や、国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所の災害時対策車両の展示が行われました。また、災害時に公衆通信網が使用出来ない場合にも映像等の大容量データを通信可能な国土交通省独自の通信システム(災害対策用無線アクセスシステム「i-RAS(アイラス)」)を活用した情報通信訓練も実施しました。i-RASを用いた自治体との訓練は関東地方では初めての取組みとなります。
(2)参加者(合計119名)
葛飾区職員 | 45名 | 京成電鉄株式会社 | 3名 |
金町消防署 | 13名 | 葛飾区議会議員 | 30名 |
本田消防署 | 5名 | 都議会議員 | 2名 |
荒川下流河川事務所 | 20名 | 衆議院議員 |
1名 |
(3)訓練状況
(4)設置した大型土のう
水害発生時における限られた時間の中で、水防活動をより効率的に行うため、設置した大型土のうは、河川管理者である荒川下流河川事務所と調整を行い、訓練後に撤去せず残置することとしました。
(5)設置手続き
大型土のうの設置に際して、河川法第37条の2(土地の占用等に関する水防管理団体等の特例)の規定による協議によって設置を行いました。
今後の取り組みについて
- 大型土のう2段目の取扱いについて
2段目に設置した大型土のうについては、河川利用者に対して立入禁止の措置は行っていますが、安全管理の観点から、通常時は1段目の最後尾に配置しています。水害発生時には、重機等で2段目に設置します。 - メンテナンス
設置した大型土のうについては、定期的に点検を行うとともに、使用した袋の耐用年数を考慮し、およそ3年ごとに今回のように訓練の中で、入替等のメンテナンスを行うものとします。 - 京成線軌道内の止水方法
軌道内の止水方法については、京成電鉄の運行への支障などの課題について、今後、対岸の足立区とも連携し、京成電鉄と調整を進める必要があります。
そのため、当面の対策としては土のうや大型水のうによる止水を行うこととしていますが、区としては、引き続き、より効果的な水防工法を、荒川下流河川事務所及び、京成電鉄と協力し検討していきます。
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