葛飾区いじめ調査委員会の答申

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ページ番号1017529  更新日 平成30年3月29日

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葛飾区いじめ調査委員会の答申

平成30年3月28日に葛飾区いじめ調査委員会(第三者委員会)から答申を受けました。答申の概要は次のとおりです。

  1. 事案の概要
    平成26年4月に発生した区立中学校の当時3年生の男子生徒が自死した事案
  2. 答申の概要
    (1)本件事件は、本件事件当日、生徒だけで行われた部活動のチーム決めにおいて、当該生徒のチームが決まらなかったことが原因となり、衝動的に自死に及ぶ結果となったものと推定される。
    (2)いじめ防止対策推進法は、「いじめ」とは、「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定義されている(第2条第1項)。
    当調査委員会のような重大事態の調査委員会の設置にあたっては、いじめ防止対策推進法の広範な定義に基づいて、いじめによるかどうかの調査をできるだけ早期に行うべきことが求められるが、その結果設置された調査委員会に求められる調査は、いじめの早期発見や調査開始といった場面とは異なり、調査の結果得られた事実が社会通念上いじめに該当するかどうか、また、いじめに該当するのであれば、関係者に対してどのような指導を行う必要があるかどうかという現実の対応に影響を与える場面であることからすると、いじめ防止対策推進法上の広範な定義を用いて形式的に評価すべきではないと考える。
    このような理由から、当調査委員会は、あえて法律上のいじめの定義をそのまま当てはめることはせず、同法に定義されるいじめのうち、社会通念上いじめと評価できる行為が認められる場合を、いじめとする。
    (3)チーム決めの話合いは平穏に行われており、誰かを排除することを参加者の誰も意図しておらず、また、そのような発言もなされていない。したがって、社会通念上非難されるようなものとは認められず、本件はいじめを原因とした自死ではない。
    また、話合いの後、生徒たちは、無反応になった当該生徒を窓際に移動させ、霧吹きで水をかけ、ピンポン球を当て、ジャージを下ろそうとするという行為を行ったが、これらの行為は生徒たちの間でふざけている行為として日常許容されているという共通認識の下、当該生徒を覚醒させる目的で行われた行為であり、社会通念上いじめと評価できない。
    (4)チーム決めの話合いは、顧問不在の場で生徒たちだけで行われた。また、生徒たちから報告を受けた顧問は、当該生徒の自宅に連絡するなどの措置を取るべきであったのに、それをしなかった。
    これらのことは、部活動における指導体制において、顧問が不在の時間が常態化していたことも大きな要因であると考えられる。仮に、チーム決めに顧問が直接関与していたら、本件事件は防ぐことができた可能性がある。学校は、生徒の心身の安全により配慮した指導体制を速やかに構築すべきである。また、指導者は、少しでも日常と変わった事態が生じた可能性がある場合、それに敏感に反応する姿勢を身に付けるとともに、保護者と連絡を密に取る体制を学校全体で明確にルール化するべきであった。
    (5)学校及び教育委員会の自死であることの認識の欠落及びいじめ防止対策推進法についての理解不足から、第三者委員会の立ち上げが遅れた。このことは、記憶の風化によって調査を困難にし、両親に心理的負荷を与えた。学校及び教育委員会は、いじめである可能性、自死である可能性から目を背けず、事実の解明、再発防止に積極的な態度を取るべきである。
  3. 区長コメント
    調査報告書では、学校の部活動における指導体制及び異常時の対応、いじめ防止対策推進法についての理解不足などの点について、不十分であったという厳しいご指摘とご提言をいただきました。学校設置者として、責任を痛感しております。
    これらのご指摘及びご提言を真摯に受け止め、教育委員会をはじめ、関係各機関と協議し、再発防止に努めてまいりたいと考えております。

このページに関するお問い合わせ

総務課法規担当係
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電話:03-5654-8145 ファクス:03-5698-1503
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