妊娠中や乳幼児のいる家庭での喫煙
喫煙はお腹の赤ちゃんや乳幼児にも影響をあたえます。妊娠中や乳幼児のいる家庭での喫煙はご注意ください。
葛飾区の状況(家庭での喫煙に関するアンケート調査より)
乳幼児のいる家庭における喫煙率
葛飾区では、4ヶ月の乳児健診を受診した家庭を対象に、喫煙に関する調査を行っています。
令和4年度の調査では、たばこを吸っている方がいる家庭の割合が10年前と比較して約14%減少し、近年の喫煙率は減少傾向です。
妊娠中に母親がたばこを吸うと、胎児への影響は?
子宮の中の赤ちゃんは、胎盤を通してお母さんから栄養や酸素を受け取っています。たばこに含まれる一酸化炭素やニコチンなどの有害物質は胎盤を通って、赤ちゃんの成長に悪い影響を与えることが分かっています。
妊娠中の喫煙は、早産、低体重児の出産、周産期死亡の増加につながるといわれていますが、妊婦本人だけでなく、周囲の喫煙も同様の危険性を高めるという報告がされています。
また、乳幼児の受動喫煙(下記参照)はSIDS(乳幼児突然死症候群)発症率が高くなります。赤ちゃんが元気に育つ安心で快適な環境を作るには、妊婦さんやご家族の理解とご協力が必要です。
ニコチンや一酸化炭素は具体的にどんな影響があるの?
ニコチンの血管収縮作用によって、お母さんの胎盤を通じて栄養をもらっている赤ちゃんに栄養が行きにくくなり、赤ちゃんの育ちが悪くなります。また、喫煙する母親からは低体重児の出生の割合が高くなります。
一酸化炭素もたばこの煙に含まれています。妊娠中には、妊婦健診でヘモグロビンという項目があり、貧血かどうかのスクリーニングとなっています。体の中に取り入れられた酸素は血液中の「ヘモグロビン」によって体中や脳に運ばれます。一酸化炭素は、酸素の200倍もヘモグロビンと結びつきやすいのです。お母さんの血管から胎盤を通して、赤ちゃんに酸素が運ばれていますが、一酸化炭素のために、お腹の赤ちゃんに酸素が運ばれなくなるため、いわば酸欠状態となります。
授乳するお母さんがたばこを吸っても平気なの?
授乳期の母親が喫煙すると、ニコチンが母乳中に分泌されます。これは、母親の血液中のニコチンが母乳に移行するからです。母乳中のニコチン濃度は母親の喫煙量に比例します。ニコチンの含まれる母乳を飲んだ乳児は、いらいらしたり、よく眠らない、下痢、嘔吐など、ニコチンの影響が報告されています。
乳児や幼児への受動喫煙の影響は?
SIDS(乳幼児突然死症候群)
SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、元気だった赤ちゃんが原因がわからないまま突然になくなる症候群です。日本では4000人に1人程度の割合で発生しており、1歳未満、特に6カ月までの赤ちゃんに多いことが特徴です。発症リスクはうつぶせ寝が仰向け寝より3倍高いことや、人工乳保育、保護者の喫煙は約5倍も高いことが研究でわかってきました。厚生労働省は、仰向け寝、母乳保育、保護者の禁煙を奨励し、赤ちゃんのSIDSによる死亡を半減させたいとしています。
アレルギー・ぜんそく
たばこの煙は多くの汚染物質(ニコチン・CO・CO2・NOなど)があり、その中の浮遊粒子物質は粒径10ミクロン以下の粒子で、アレルギー疾患の原因となります。たばこの煙は、喘息の発症に関わる因子であるとも言われています。
たばこによる乳幼児の事故
ニコチンは、本体と煙に含まれており、殺虫剤にも入っている毒薬です。たばこ1本の中には、子どもが食べれば死んでしまう量のニコチンが含まれています。乳幼児期の事故ではたばこを口に入れたり、やけどなど、たばこにまつわる事故が多くを占めています。はいはいが始まる時期の7から8ケ月の乳児は探索行動が盛んで、何でも口に持っていって確認します。大人が無造作に床やテーブルの上に置いたたばこや吸殻を乳児が口に入れてしまうといった事故も多く発生しています。乳幼児がたばこ1本を口に入れると死に至ります。赤ちゃんが動くようになったら、タバコや灰皿は手の届かない場所におきましょう。
未成年者がたばこを吸うとどんな影響があるの?
喫煙開始年齢は早いほど、肺がんやその他のがん、心臓病などの発症の危険が高くなります。一般的に、細胞分裂の盛んな若い時期ほど、たばこの有害物質の影響を強く受けるので、未成年者の喫煙は、成人の喫煙以上にリスクが高いのです。また、身長が伸びないなど、成長にも悪い影響があります。さらに、ニコチン依存症になりやすく禁煙しにくくなります。
関連リンク
このページに関するお問い合わせ
健康推進課健康推進係
〒125-0062 葛飾区青戸4-15-14 健康プラザかつしか内
電話:03-3602-1268 ファクス:03-3602-1298
Eメールでのお問い合わせはこちらの専用フォームをご利用ください。