平成22年第4回葛飾区議会定例会区長挨拶要旨

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ページ番号1005404  更新日 平成27年12月19日

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葛飾区長 青木克德の写真
葛飾区長 青木克德

平成22年11月29日

 平成22年第4回区議会定例会の開催に当たり、ご挨拶を申し上げます。

 今年も余すところ約1か月となりました。この間、区政は、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力によりまして、順調に推移をしております。深く感謝を申し上げます。

 ご承知のとおり、わが国の経済の景気動向につきましては、海外経済の減速や急激な円高を受けた輸出と企業生産の落ち込みにより、回復の動きが鈍っております。内閣府の先月の月例経済報告では、景気の基調判断が「持ち直し」から「足踏み状態」へと1年8か月ぶりに下方修正されました。今後の景気動向は極めて不透明な状況であり、中小企業の多い本区の産業分野に与える影響について見極め、適切に対処していく必要があると認識しております。

 本区では、このような状況の中、区内中小・零細企業のさらなる支援策として、本年10月に「債務一本化融資制度」を創設いたしました。あっせん開始初日から複数のお申込みをいただき、また、企業や取扱金融機関から多数のお問い合わせをいただいております。区といたしましては、資金需要の高まる年末に向けて、さらに多くの企業の方々にご利用いただけるものと考えており、制度創設の趣旨に沿った効果が出るものと期待しております。

 また、依然として厳しい雇用情勢を踏まえ、同じく本年10月から「正規雇用促進特別奨励金」事業を開始したほか、亀有や柴又など、本区の観光スポットの魅力を高め、観光振興によって地域の活性化を図ることにも力を注いでいます。

 今後とも、産業経済対策につきましては、経済の動向を十分に踏まえ、これまで同様、スピード感を持って、先手、先手の対応を行ってまいります。
 
 
 
  次に、「夢と誇りあるふるさと葛飾」を実現していくための主な重点事業の進捗状況について申し上げます。
 
 
 
  はじめに、「子どもが元気に育ち、豊かな人間力を育む環境づくり」について申し上げます。

 まず、「母子生活支援施設の建替え」についてであります。

 母子生活支援施設「ふたば荘」の建替えにつきましては、敷地を普通財産に切り替え、施設を運営する社会福祉法人に無償貸与いたします。その敷地に、法人自らが施設を建設する予定であり、現在、着工に向けた準備を進めているところであります。

 民設民営の施設として、技術や経験のある社会福祉法人が一貫して管理運営することで、施設を利用する母子世帯の一層の自立促進を図ってまいります。

 次に、「保育園の待機児解消及び多様な保育への取り組み」についてであります。

 現在、本区で初めてとなる夜間保育所をふたば荘に併設すべく、準備を進めております。

 この夜間保育所では、午前11時から午後10時までの保育を実施する予定で、夜間保育が必要な保護者への対応とともに、待機児の解消を図ってまいります。

 次に、「児童扶養手当」についてであります。

 本年8月から児童扶養手当の対象が父子世帯にも拡大され、12月から支給を開始いたします。11月1日現在、対象者は99人となっております。支給にあたりましては、混乱のないよう、万全を期してまいります。
 
 
 
  次に、「教育振興ビジョン及び生涯学習振興ビジョンの推進」について申し上げます。
 
  はじめに、「小中一貫教育の推進」についてであります。

 来年4月に開校する、本区で初めての小中一貫教育校「新小岩学園」の開校に向けて取組が本格化しております。

 松上小学校と新小岩中学校では、義務教育の9年間を見通した指導計画を作成し、これに沿って実際に授業を進めております。また、小学校高学年の理科及び社会科においては、教科担任制の授業を実施するなど、小中一貫教育の良さを生かした取組を進めております。

 また、新小岩中学校には、上平井小学校からも多くの児童が進学してきます。そこで、新小岩中学校の教諭が上平井小学校の外国語や柔道の授業を行うなど、関連校との連携や交流についても進めております。

 今後とも、地域や保護者のご理解とご協力をいただきながら、新小岩学園のスローガンである「夢を育て、未来を創る」を実現できるよう、区としても支援をしてまいります。

 次に、「特別支援教育の推進」についてであります。

 特別支援教育が始まった平成19年度以降、知的障害の特別支援学級に在籍する児童、生徒が増加しております。これに対応するため特別支援学級の増設を図ってまいりました。しかし、新宿中学校の特別支援学級の生徒数は大きく増えており、現在の規模は4学級となっております。

 そこで、葛飾区全域の地域バランスを考慮し、特定の学校への偏りを解消するため、新たに特別支援学級を増設することといたしました。平成24年4月、区内で7番目となる知的障害の特別支援学級を、青戸中学校に開設いたします。

 本区では、今後とも、必要とする支援が適切に受けられるように、個々の児童、生徒に適した教育環境の確保に向けて努力してまいりたいと考えております。

 次に、「家庭や地域との協力・連携」についてであります。

 教育環境を改善し、子どもたちの健全育成を進めるためには、学校と家庭、そして地域との連携が何よりも重要であります。

 これまで、「あいさつ運動」や「特色ある学校づくり」など、学校の取組や学校行事などにおいて、家庭や地域の方々から多大なご理解やご協力をいただいてまいりました。

 現在、教育委員会では、家庭、地域が協力して、学校を支援していただく「学校地域応援団」の立ち上げを推進しております。平成20年度から取り組みを始め、今年の10月末現在で16校に設置されています。

 また、平成23年度から本格的に実施する「土曜日授業」の授業公開によって、学校と家庭、地域との連携を一層深めることができるものと期待しており、こうした取組がさらに進むよう力を入れてまいりたいと考えております。

 次に、「かつしか区民大学」についてであります。

 かつしか区民大学の新しい試みである公募区民による「区民運営委員会」が企画した講座が10月にスタートいたしました。どの講座も魅力あふれる体験型の講座となっており、受講アンケートで高い評価を受けております。

 また、東京理科大学、東京聖栄大学、共栄大学との連携講座も、定員を上回る申し込みがあり、これまでに700人以上の方が受講され、どの講座もご好評をいただいております。

 今後も、各教育機関との連携を一層深めるとともに、区民運営委員会の活動の更なる支援に努めるなど、多くの区民の様々な学びのニーズに応えられるよう事業の充実を図ってまいります。
 
 
 
  次に、「ともに支えあい、いきいき暮らせる健康づくり」について申し上げます。
 
  はじめに、「エックス線機器のデジタル化」についてであります。

 今回、補正予算に計上させていただいたエックス線機器の購入は、乳がん検診に用いる乳房エックス線撮影器(マンモグラフィ)及び結核検診等に用いる胸部エックス線機器であります。いずれも現在建設中である新保健所の開設にあたり、デジタル化を図るものであります。これにより、現在使用しているエックス線機器と比較し、より鮮明な画像撮影が可能となり、診断精度が向上し、区民の健康増進に寄与するものであります。

 なお、保健所及び(仮称)子ども総合センターの建設につきましては、現在、全体の6割程度の工事進捗状況となっています。平成23年7月の開設に向けて、順調に工事を進めております。

 次に、「介護保険サービス基盤の整備」についてであります。

 現在、平成23年度を最終年度とする第4期介護保険事業計画に基づき、介護保険サービス基盤の整備を進めております。

 このたび、民間事業者が、来年7月の竣工を目指して柴又五丁目に整備する、小規模多機能型居宅介護事業所と認知症高齢者グループホームとの併設施設の計画をまとめましたので、これを支援することといたしました。

 また、本区では、先月まで平成23年度中の竣工、開設を条件に、地域密着型サービス事業計画の募集を行ってまいりました。その結果、小規模多機能型居宅介護事業所1か所、認知症高齢者グループホーム4か所の事業計画を選定したところであります。

 これらの事業計画が予定どおり実施されますと、区全体では、来年度中に、小規模多機能型居宅介護事業所が3か所、認知症高齢者グループホームについては23か所、総定員393人となります。これにより第4期介護保険事業計画の目標は達成される見込みであります。

 今後とも、これらの地域密着型サービス事業計画の推進に努め、介護保険サービス基盤の整備を進めてまいります。
 
 
 
  次に、「葛飾の良さを活かした、魅力と活力あふれるまちづくり」について申し上げます。
 
  はじめに、「金町六丁目地区の再開発事業」についてであります。

 金町六丁目地区第一種市街地再開発事業につきましては、平成2年の準備組合設立を経て、平成16年8月に金町六丁目地区市街地再開発組合が設立されました。それから約6年の歳月を要して昨年の6月に再開発ビル「ヴィナシス金町」が竣工いたしました。

 その後、本年3月の区画街路第5号線など周辺道路整備の完了をもって、市街地再開発の事業がほぼ終了し、今月20日には再開発組合の総会が開催され、その中で解散の議決がなされました。今後は、清算手続きを経て、来年3月には市街地再開発事業に係る活動がすべて終了する予定であります。

 金町六丁目地区における市街地再開発事業の成功は、立石駅周辺の再開発事業、新小岩駅や高砂駅周辺の街づくり事業、さらには当地区に隣接する駅前地区の再開発事業を推進するための模範となるものであります。本区としては、当地区を良い手本として、他の地区の街づくりを区民、関係権利者と協働して取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「新中川橋梁の架け替え」についてであります。

 新中川に架かる橋梁のうち、区が管理しているのは4橋です。新中川開削事業に伴って、昭和34年に八剱橋、昭和35年に細田橋、昭和36年に三和橋及び高砂諏訪橋がそれぞれ完成いたしました。その後、昭和63年から平成2年にかけて落橋防止対策や補強対策の工事を実施してまいりました。しかし、完成から50年近くが経過し、老朽化による更新やバリアフリー化などの時代要請に対応するため、架け替えの必要が生じたものであります。

 現在、三和橋は架け替え事業中であります。残る3橋につきましては、地域の皆様のご参加をいただき、平成20年7月に設立した「新中川沿川橋づくり協議会」のもと、3橋それぞれの整備内容や架け替えスケジュールを検討いたしました。その結果、優先度の高い「八剱橋」から、架け替え事業の実施に向け、区議会並びに地域の皆様のご意見を伺いながら具体的な検討を行っていくこととしますので、よろしくお願いいたします。
 
 
 
  次に、「区民とともに築く、人にやさしく住みよいまちづくり」について申し上げます。
 
  はじめに、「地球温暖化対策の推進」についてであります。

 「エネルギーの使用の合理化に関する法律」、いわゆる省エネ法の改正により、事業者全体のエネルギー総使用量が原油換算値で1,500キロリットルを超える場合は、省エネ法の「特定事業者」に指定されることとなりました。特定事業者は、国に定期報告書を提出するとともに、中長期計画書を策定して施設改修等を行い、エネルギー総使用量を年平均1%以上削減する義務が課せられることになります。

 本区の場合、平成21年度エネルギー総使用量は区長部局が原油換算値で6,377キロリットル、教育委員会が原油換算値で7,020キロリットルであったため、今年度から区長部局・教育委員会ともに、省エネ法上の特定事業者として指定されることになりました。そこで省エネ法上の削減目標を達成するため、区長部局・教育委員会それぞれにおいて、計画期間を平成22~26年度の5年間とする中長期計画書を策定したところであります。

 今後は、この中長期計画に基づき、施設の省エネ改修を効率的に実施するとともに、区の率先行動をさらに進め、エネルギー使用量と温室効果ガスの削減を図ってまいります。

 次に、「リサイクル清掃関連施設の建設」についてであります。

 現在、立石図書館と合築で建設中のリサイクル清掃関連施設につきましては、区民一人ひとりが「エコライフ」を実践する地域社会づくりを目指し、「(仮称)かつしかエコライフプラザ」として、本定例会において設置条例を提案させていただいております。この施設は、ごみ減量や環境についての学習や体験を通じて、人材の育成や普及啓発を進める拠点施設として、平成23年6月の開設を目指しているものであります。

 今後とも、この施設を中心にごみの減量及び環境への取り組みを推進し、資源循環型社会の構築に向けて一層努力してまいります。

 なお、立石図書館につきましては、合築の効果を高めるため、環境やごみ減量に関する情報提供などに力を入れてまいります。そして、駅に近く中小企業が多いといった立地特性も踏まえ、ビジネス支援やICTを活用したサービスの充実など、新しい時代にふさわしい図書館を目指してまいります。
 
 
 
  次に、「時代の変化に対応できる迅速・柔軟な取り組み」について申し上げます。
 
  はじめに、「福祉総合窓口」についてであります。

 区民の利便性の一層の向上を図るため、平成23年1月4日から区役所新館2階に福祉総合窓口を開設いたします。

 本窓口では、新たに福祉案内窓口を設置することなどで、高齢者支援課・障害福祉課・介護保険課の3課に係る相談や届出・申請手続きを、区民が迷わず、動かず、待たずに、1か所で済ませていただけるようにいたします。併せて、今回新たに開発しました福祉総合案内システムを活用することにより、相談者に関わる高齢・障害・介護のサービスが、漏れなくご案内できるようにしてまいります。

 また、この福祉総合窓口の整備にあたりましては、新たに専用の相談室等を設置し、これまで以上に相談者のプライバシーに配慮した環境を整えてまいります。

 さらに、高齢者や障害者の方が安心して相談できるよう、見やすくわかりやすいサインをはじめとしたユニバーサルデザインの徹底を図り、区民目線に立った区民本位の窓口をめざしてまいります。

 次に、「コールセンターの開設」についてであります。

 区の各種手続きや、催しなどに関するご質問に専門のオペレーターがお答えする、葛飾区コールセンターは、平成23年1月4日から試行し、3月1日から本格運用を開始する予定であります。

 コールセンターの愛称は、公募により「はなしょうぶコール」とし、今後は「かつしか しんせつ 電話案内 はなしょうぶコール」として区民の皆様に周知を図ってまいります。「はなしょうぶコール」は、本格運用の3月1日からは、1年365日、年中無休、午前8時から午後8時まで、ご利用いただけるようにいたします。

 また、現在、はがき又は電子申請で申し込みを受け付けている子宮がん検診をはじめとする6種のがん検診につきましては、平成23年4月受診分から、コールセンターでの電話による申し込みの受付が開始できるよう準備を進めているところであります。

 さらに、来年度からは、講座の申し込み受け付けにつきましても、段階的に実施し、拡大していく予定でおります。コールセンターの開設により、区民の皆様の、問い合わせや申込みの利便性が大きく増すものと考えております。
 
 
 
  以上、「夢と誇りあるふるさと葛飾」の実現に向けた主要事業の進捗状況について申し上げました。
 
 
 
  現在、トップヒアリング等の場を経ながら、来年度の重点事業を選定しております。保育所の設置による待機児解消など、計画事業に引き続き取り組んでいくとともに、債務一本化融資制度の継続実施や予防接種費用助成の拡充など、計画事業以外の事業についても、重点的に取り組むべき事業については早い段階で決定したいと考えております。厳しい財政状況を踏まえ、見直すべきところは見直しながら、厳しい選択を行い、真に必要な事業に取り組んでまいります。
 
 
 
  その他、本定例会にご提案を申し上げます案件につきましては、上程の折に主管者から詳細にわたりご説明をさせていただきますので、よろしくご決定を賜りますようお願い申し上げまして、平成22年第4回区議会定例会の開催に当たりましての私のご挨拶とさせていただきます。