【かつしか人】伊澤星花さん

ページ番号1034615　更新日令和6年3月22日

izawasenshu

プロフィール

1997年生まれ。葛飾区在住。JAPAN TOP TEAM（ジャパントップチーム）、Roys GYM（ロイズジム）所属。現在、DEEPJEWELS（ディープジュエルス）女子ストロー級※とRIZIN（ライジン）スーパーアトム級※の王者。
大学院進学時に総合格闘技と出会い、プロ2戦目で王者から勝利を奪うなど、デビューから12連勝。2023年7月、総合格闘家の夫CORO（コロ）選手とともに、金町にRoys GYMを立ち上げた。
※階級の名称。ストロー級は、52.2kg未満、スーパーアトム級は49.0kg未満

総合格闘技とは？

打撃（パンチ、キック）、投げ技、固め技（抑込技、関節技、絞め技）などのさまざまな技術を駆使して勝敗を競う格闘技です。
試合では、体重差でのハンデを無くすため、体重別に階級を分けて試合が行われます。

伊澤選手にインタビューしました🥊

総合格闘技との出会い

ー幼少期はどんなお子さんでしたか
実家の前が林で、その空き地で基地づくりとか、木登りをしてアクティブに遊んでいました。

ー総合格闘技を始める前にやっていたことを教えてください
家の中で兄弟げんかをすることが多く、外で発散させようと考えて両親の勧めで、4歳から柔道、小学4年生からレスリングを始めました。小学校の高学年から練習がきつくなってきて、お母さんも練習に厳しい人だったので、毎日見に来て、怒られるのが嫌でしたね。笑

ー総合格闘技との出会い、始めたきっかけを教えてください
子どもや人に教えることが好きだったため、高校生の時に教員に憧れを持つようになり、卒業後は東京学芸大学に進学し、教員をめざしながら柔道を続けていました。しかし、大学院進学時に新型コロナウイルスの流行で柔道部の活動ができなくなり、新たなチャレンジをしたいと思いました。その時に実家の栃木に帰り、テレビで総合格闘技を見て、この競技なら柔道の経験を生かすことができると思い、始めました。総合格闘技の試合に出ながら大学院に通うのは大変でしたが、最後まで通い修了することができました。

相手を分析して勝つイメージを持って試合に臨む

練習中

ー練習の日の1日のスケジュールを教えてください
午前中はジャパントップチームで練習して、午後から夜にかけてロイズジムで練習と、会員さんの指導をしています。

ーオフの日の過ごし方を教えてください
家でゆっくり、飼っている犬と猫に癒されています。

ー試合前のゲン担ぎなどあれば教えてください
特にこれといったゲン担ぎはありませんが、試合前日の計量後にリカバリーをする日が1日あり、よく鍋料理やウナギを食べています。試合への活力です。

ーこれまでで一番印象に残った試合を教えてください
DEEPJEWELSの4戦目、韓国のパク・シウ選手との試合です。反則技（サッカーボールキック）をくらい、顔が腫れて絶体絶命で、試合中は記憶がなかったですが、勝ち切りました。そこからRIZINの試合出場が決まったので、印象に残っています。

ー無敗記録を続け、ここ数年立て続けにタイトルマッチを行うなど、大変なプレッシャーが掛かっていると思いますが、強さの秘訣や精神力の源はありますか
試合までにやることの流れは決まっています。試合に向けて相手を分析し、負ける可能性を潰す練習をやり切って試合に臨んでいるので、勝ち続けることができていると思います。
試合の時は、勝てる自信があるので緊張はしません。人前で話すのは緊張しますけどね。笑

ー3月24日（日曜日）の試合（DEEPJEWELSパク・シユン戦）に向けて意気込みを教えてください
今、RIZINとDEEPJEWELSのベルトを持っていて、今回は階級を下げて3本目のベルトに挑戦します。元々、他の日本人選手が持っていたのですが、先日の日韓対抗戦で奪われてしまいました。日本にベルトを取り戻して、団体を盛り上げたいです！

常に物事を前向きに考える

ーこれまであった挫折や苦難など（あった場合）を乗り越えた方法を教えてください
これまでの人生で挫折しそうな時は何度かありましたが、上手く違う道に進んでいます。例えば、高校生まで勉強が苦手でしたが、先生をめざすときはたくさん勉強したり、大学の時に柔道ができなくなったときは、総合格闘技の道に進むことを決意しました。マイナスな出来事が起こっても、常に物事を前向きに捉え、すぐに別の方法を考えます。

ー自分が一番大事にしていることを教えてください
たとえ失敗しても切り替えを早く、失敗したことはすぐに忘れて、気持ちを切り替えられるのが私の強みです。

現役王者として金町にジムを立ち上げる

ー金町に設立したRoys GYMについて教えてください
結婚を機に、2023年7月にRoys GYMを立ち上げました。夫と私が現役格闘家で、私自身がチャンピオンの今、多くの人に集まってもらいたいという思いがあり、引退した後ではなく今立ち上げました。また、夫が足立区出身で、元々知り合いが多かったのと、人が温かいこともあり、金町に立ち上げを決めました。
総合格闘技は子どもから高齢者まで、安全に誰でも楽しめるのが魅力です。ジムには4歳～50代の方までさまざまな世代の方が通っていて、新たなコミュニティも生まれています。

ー子どもたちも通って格闘技を習っているとのことですが、指導するときに気を付けていることはありますか
子どもたちがやることを、あまり制限しすぎないことを心がけています。今は安全性などの面で遊びが制限されることが多いと思うので、のびのびとやらせてあげたいです。けんかなどもあまり止めすぎず、怒ったり泣いたり笑ったりする感情を引き出してあげたい。気持ちのぶつかりがあっても、折り合いをつけることで、心の成長につなげたいと考えています。

ーCOROさんとも練習はされていますか
COROさんとは、JAPAN TOP TEAMとRoys GYMで練習しています。ジムでは会員さん優先で、指導などを行っています。

ー同じ格闘家として、経営者でもあるCOROさんへの想いを教えてください
COROさんは、普段電気工事の仕事を行い、仕事の後に格闘技の練習とジムの会員さんの指導、そしてジムの経営と、
多忙で大変ですが、すべてを続けているところが人として尊敬しています。

ー伊澤選手も午前中練習で、午後はジムで練習・会員さんへの指導で多忙だと思いますが、それでも続けられる理由を教えてください
会員さんの頑張る姿を見ることで、元気をもらえているからです。会員さんから練習中に「○○ができるようになった」練習後に「汗をかいてすっきりした」などの声を聞いたり、練習している姿や練習後のすっきりした姿を見たりすることで、自分の頑張るモチベーションになります。