葛飾の伝統工芸品

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ページ番号1005024  更新日 令和6年5月16日

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 葛飾区の伝統産業(工芸)品は、その種類が多いことも大きな特徴となっております。
 現在、葛飾区では、下記のとおり46品目を「葛飾区伝統工芸品」として指定しています。このページでは、その一部をご紹介いたします。

葛飾区指定伝統工芸品(46品目)

江戸刷毛、江戸和竿、江戸指物、棕櫚たわし、江戸漆器、江戸押絵羽子板、江戸べっ甲、染付磁器、江戸衣裳着人形、江戸木彫刻、江戸からかみ、東京三味線、江戸刺繍、江戸更紗、東京染小紋、江戸小物細工、東京桐たんす、東京組紐、東京銀器、手ひねり造形、東京仏壇、江戸切子、東京打刃物、銅版仏画、江戸表具、染色用型紙、桶、東京手描友禅、提灯、友禅風呂敷、竹工芸、錺金具、印伝、銅器(おろし金)、飾熊手、素焼き植木鉢、つば、東京無地染、風炉先屏風、唐木細工、彫金、印章・篆刻、象牙彫刻、硝子彫刻、印章小箱(ケース)、江戸硝子

棕櫚たわし

棕櫚たわしの写真
棕櫚たわし

 たわしは、明治40年に泥落とし用のマットの切れ端を束ね、釜洗いに使っているのを見て考察されました。
 ヤシの実を使ったものと、棕櫚皮を使ったものがあります。棕櫚の繊維はその昔、漁網に使われていたほど水に強いうえ、素材が柔らかく、大変丈夫で長持ちします。

江戸押絵羽子板

江戸押絵羽子板の写真
江戸押絵羽子板

 押絵羽子板は、厚紙等に布を張り、綿を入れ、立体感を持たせた部品を組合わせる押絵の技法を使って作ります。
 その誕生は、江戸時代の文化・文政の頃といわれています。
 現在、押絵は昔ながらの技術・技法を守る職人さんたちの手で、ひとつひとつ心をこめた製品が作られています。
 今日では正月をいろどる縁起物として、また、女の子の成長を祝う品として、多くの人に親しまれています。

江戸鼈甲(べっこう)

江戸鼈甲(べっこう)の写真
江戸鼈甲(べっこう)

 江戸べっ甲が作られ始めたのは江戸時代初期の頃で、元禄期に張り合わせの技法が伝えられて複雑な造形ができ、町人文化の台頭とともに豪華な櫛や、かんざしなどが作られるようになりました。
 蒔絵、彫刻を施したもの、新しいデザイン感覚を備えたものなどが東京製品の特徴で、優れた製品が作られています。

江戸衣裳着人形

江戸衣裳着人形の写真
江戸衣裳着人形

 江戸衣裳着人形とは、雛人形、武者人形、市松人形など、衣裳を着せつけた人形および衣裳を着せつけてできる人形(裸人形)を総称したものです。人形は平安時代に新生児の無病息災をを祈るため、枕元においた天児や這子と呼ばれるものが原形ではないかといわれ、京都で発祥しました。江戸時代になって、諸大名が参勤交代をする際に苗字帯刀を許された人形師たちが随行し、その弟子たちが各地に人形を普及しました。さらに元禄年間には江戸の町人文化が発達し、幾多の名士の指導のもとに多くの職人が技術指導を確立し、それぞれの雛人形、五月人形、市松人形、風俗人形などを作り、江戸衣裳着人形の伝統の基礎を築きました。当時爆発的な人気を博した大阪の歌舞伎役者、佐野川市松の若衆姿を再現した人形がこれまで続いている市松人形の由来です。

江戸木彫刻

江戸木彫刻の写真
江戸木彫刻

 木彫刻の歴史は古く、平安時代には仏教の影響を受け、多くの仏像が彫られました。その後、社寺建築の柱や欄間に装飾を施す建築彫刻が急速に発達し、調度品や身の回り品にも様々な装飾彫刻が施されるようになりました。
 現在でも、仏像、人物などの置物彫刻や、みこし、葬祭具等の付属彫刻、欄間などの建築彫刻といった木彫刻が作られています。

東京三味線

東京三味線の写真
東京三味線

 日本の三味線の先祖は、中国の「三弦」という楽器です。
 14世紀に中国から当時の琉球(沖縄)に伝えられ、その琉球から日本に伝えられたのは室町時代末のことでした。
 日本古来の琵琶に代わり弦楽器の中心となった三味線は、江戸時代に本格的に使われるようになり、長唄や浄瑠璃の邦楽の発展とともに三味線づくりも発展しました。

東京染小紋

東京染小紋の写真
東京染小紋

 小紋は室町時代に産まれたものですが、技術的に発達・普及してきたのは、江戸時代に武士の礼装である裃の染めが行われるようになってからです。江戸時代の中期には、町人文化の発展とともに庶民の着物や羽織にも染められるようになり、模様・色・染め方が工夫されるようになりました。小紋の特徴は、文字通り小さな文様を染めたことで、その柄には鮫小紋、あられ、よろけ縞、宝づくし、鍋島などがあります。江戸小紋とは、細緻な美の工芸としての小紋染めにつけられた名称です。

東京銀器

東京銀器の写真
東京銀器

 日本で銀器が使用された歴史は古く、延喜式(916年)に見いだされます。
 江戸中期の元禄期に、彫刻師 横谷宗珂が大名家の製品を彫刻する家彫から脱皮し、町人の持ち物を製作する町彫を確立するとともに、彫金の技術技法を確立しました。
 鍛金(打ち物)、彫金(彫刻)、切嵌、鑞付けの四つの技法があり、各種置物をはじめ食器や装身具など様々なものが造られています。

江戸切子

江戸切子の写真
江戸切子

 江戸切子とは、ガラスの表面にカットを入れる技術自体のことです。江戸切子は、1834年(天保5年)江戸大伝馬町のびいどろ屋の加賀屋久兵衛が、金剛砂を用いてガラスの表面に彫刻することを工夫したのが始まりです。明治時代に入って、ヨーロッパのカットグラスの技法が導入され、ガラスの表面に様々な模様を施すガラス工芸の技法が確立され、今日まで伝承されています。

東京打刃物

東京打刃物の写真
東京打刃物

 「日本書記」によれば、敏達天皇(583年)の時代に新羅から鍛冶工が招かれ、鋼(はがね)の鍛造法が伝えられたのが日本の鍛冶の始まりといわれています。武士階級が台頭するにつれて刀剣職人の技術が磨かれ、やがて柔らかい鉄に鋼をつける着鋼法が盛んになり、切れ味の鋭い日本独自の打刃物が発達しました。明治4年に廃刀令が交付され、ほとんどの鍛冶たちは業務用、家庭用打刃物づくりに転業せざるを得なくなり、文明開化とともに伝来した洋風刃物の製作に取り組み、今日まで続く打刃物の基礎が築き上げられました。

染色用型紙

染色用型紙の写真
染色用型紙

 着物の染色に使う型紙は、和紙を数枚重ねて柿の渋でぬって造ったもので、彫刻刃で様々な紋様を切りぬき、着物の布に当ててのりを塗って染めます。
 よい染めは、よい彫りがあることが前提です。引き彫りの魅力は線の力強さで、ことに一気に引く直線には思いきりのよさがそのまま表れます。

東京手描友禅

東京手描友禅の写真
東京手描友禅

 江戸中期、宮崎友禅斉の創始と伝えられる手描友禅は、多彩にして華麗な表現技法から一躍人気になりました。京都の「はんなり」、加賀の「多彩」に対して江戸の「粋」の伝統文化を受け継ぎ、落ち着いた色彩とシンプルで繊細な柄に特徴があります。

錺(かざり)金具

錺(かざり)金具の写真
錺(かざり)金具

 神社や文化財の装飾(調度金具)、舞楽、雅楽で身につける金具等の作成や、文化財の修復を主にしています。
 金具は銅版や真鍮の板を素材にして、鏨(たがね)を素材にして紋様を彫ったり、打ち出したりして造ります。
 文化財の修復などは忠実に再現しなければいけないため、作業は非常に困難が伴います。神社や文化財の修復などは、20年から50年サイクルで行われるため、二度同じ仕事に携わることはありません。

印伝

印伝の写真
印伝

 印伝とは古来インドから渡ってきたインド更紗により色染めした、四百年の歴史を持つ鹿革製品のことです。
 印伝製品は、信玄袋、胴巻き、巾着、銭入れ、煙草入、財布、がま口ポーチ、ハンドバッグ、ベルトなどが作られています。
 選び抜かれた鹿革のしっとりとした手触りと漆の光沢、この2つの異なる個性が調和し、すばらしい製品を生んでいます。

銅器(おろし金)

銅器(おろし金)の写真
銅器(おろし金)

 銅は4千年以上の歴史を持つ金属で、古来よりいろいろな使い方がなされ、家庭用品としては、おろし金、卵焼き器などが江戸時代より使用されてきました。
 手作りの銅製おろし金は、なましを入れないで目立てをしているのが特徴で、目が鋭く切れ味がいいため、水分をよく含んだおいしい大根おろしができると評判です。切れ味が鈍っても、目をふせ、新たに目立てができるため、長年にわたって使用が可能です。
 

彫金

彫金の写真
彫金

 彫金の技術は悠久の歴史を持ち、古墳時代後期が起源とされています。江戸元禄時には、自由な発想と新鮮なデザインにより生活用品の中に広まりました。彫金はカンザシや指輪等の装身具、置物、神仏具などに施され、製品に格調と厚みを加え、素材本来の持ち味を引き立たせます。その技法には彫り(鏨(たがね)を使って地金に彫りをすること)、打ち出し(地金の延びや縮みを利用して叩いていくこと)、接合(地金どうしを金蝋等を使用して接合すること)、色金(地金を溶解炉の中で溶かして合金を作ること)、象嵌(違う種類の色金を加工して嵌めていくこと)などがあり、現在は地金から様々な技法を使って装身具を作る技術全般を指しています。

硝子彫刻

硝子彫刻の写真
硝子彫刻

 硝子彫刻は、サンドブラストの技法により作られます。サンドブラストは、砂を勢いよくガラス面に当てて、その表面を梨子地(なしじ)にする技法です。ガラスにビニール膜を貼り、図柄を描き、彫刻したい部分を切り取って露出した部分に、圧搾した空気の力を利用して砂を勢いよく吹き付けます。この作業を繰り返すことにより、作品を完成させます。

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